えっ!?
私!??

帆風くんはコートの真ん中からまっすぐこっちを見ていた。
みんなの視線も私の方へ向いた。
少し、場内がさわさわしている。

「オレ」

帆風くんがマイクを外してそう言うと
また場内が静かになった。

「畑野が好きだ!オレと付き合ってほしい!」

・・・う・・・そ・・・・・・

帆風くんが私を?
これは・・・夢??

足が震える・・・。
頭の中が真っ白になって
現実と幻想の狭間でポーッとしていると

「畑野さん」

清水さんに呼ばれて、現実に戻る。

そうだ・・・私も帆風くんに気持ちを伝えようと決めて来たんだ!

「私も!」

ありったけの思いを!

「・・・私も帆風くんが好き!」

静まり返る体育館の中に私の声が響いて・・・

どわぁーーー!!!

試合終了の時と同じくらいの歓声が上がった。
それと同時に
きゃーー!
イヤーー!!
という悲鳴も聞こえた。

私は足の力が抜けて、その場に座り込んでしまった。
帆風くんが駆け寄って来て
しゃがみ込んで私と目線を合わせる。

「サンキュ、断られたらどうしようかと思った・・・」

帆風くんはホッとしたようにはにかんでそう言うと

ぎゅっ・・・

私の手を握った・・・。