翌日の文化祭にはさすがに行けなかった。
伝え聞いた話によると
帆風くんと私はベストカップル賞なんてのを受賞したらしい。
私、富高生じゃないのに・・・恥ずかしすぎる・・・。
ちなみにミス富高は藤森さん。
ホントにかわいいもんね。
あ、帆風くんと藤森さんが付き合ってる疑惑だけど
階段の踊場で足を踏み外しそうになった藤森さんを
帆風くんが腕を引っ張って助けたのが抱き寄せたように見えただけだったみたい。
あやちゃんの友達も人騒がせだよね。
あの試合のあと、藤森さん泣いてたんだって。
気持ち、分かるけど・・・私も絶対譲れない。
彼女はかわいいし、帆風くん以外にお似合いの人、いるよね・・・。
それからまた、月曜日がやって来た。
「今日は帆風とデート?」
「うん」
「『うん♪』だって。アンタらもやるよね〜。公開告白なんてさー」
思い出すだけでめちゃくちゃテレくさい・・・。
「でもさー、あの時の帆風、ホントにかっこよかったよねー!モテるの分かるよー。私だってホレちゃいそうだった!」
なっちゃんが興奮気味に言う。
「ザンネンだったな、なち。帆風はもうまどかのものなんだよ」
ものって・・・。
「あーもうー!うらやましすぎるー!」
もっとうらやましがって♪
なんちゃって。
時計に目をやると
もう時間が迫っていた。
「あっ、もう行かなきゃ!」
「帆風によろしくね」
「うん、じゃあね!」
そう言って教室を飛び出した。
『来市 来市〜』
いつもの時間のいつもの電車が ホームに滑り込んで来る。
いつもの車両のいつもの扉から
私が乗り込むと彼が待っていてくれる。
そう、もうたまたまなんかじゃない。
これからは
月曜日の恋人――
Fin.

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