一瞬の静寂を破って

どぉーーー!

地響きのようなものすごい歓声が起きて
バスケ部の人たちが帆風くんの元に走り寄る。
帆風くんがもみくちゃにされてる。

すごい・・・
すごい!
全国大会の常連校に勝っちゃった!!
ホントにすごいよ!
帆風くん・・・。

コート内ではヒーローインタビューが始まった。
『体育館にお集まりのみなさん!ヒーローインタビューはもちろん!タイムアウトギリギリでの逆点決勝シュート決めた帆風良輔選手です!』

わぁーー!!

場内に歓声が湧く。
同時に

きゃーー!
帆風くーーん!

という「モテる」ということが裏づけされる黄色い歓声も起きた。

『帆風選手、逆点決勝シュート、みごとでした!』
『ありがとうございます!』
『あの時はどんな気持ちでしたか?』
『とにかく3Pしかなかったので、もう必死でした。まぐれです』
『我が校バスケ部期待のルーキーという帆風選手ですが、その期待に応えられましたね』
『ハイ、試合に起用してくれた先生、ボールを回してくれた先輩方のおかげです』
『これでもう、レギュラーは決定ですね!』
『それは僕からはなんとも言えません・・・』
帆風くんが苦笑いで答える。
『さて、場内の歓声を聞いてお分かりの通り、女子生徒から絶大な人気の帆風選手、最後にファンのみなさんへメッセージをお願いします!』
そう言ってインタビュアが帆風くんにマイクを渡した。
帆風くんは少しはにかんでる。
『みなさんの声援に後押ししてもらって決勝のシュートを決めることができました!今日は応援、本当にありがとうございました!』
うわぁーー!!
帆風くんの言葉に歓声が上がる。

インタビュアが帆風くんからマイクを受け取ろうとした時
帆風くんがなにかを言って、もう一度マイクを通して話しはじめた。

『今日は絶対この試合に出て、ヒーローになれたら、このインタビューの時にオレの思いを伝えようと決めて来ました』

場内に居る全員が帆風くんの言葉に耳を傾ける。

しばらく沈黙が続いた後

『畑野!』